SPIN A STORY ① 糸を作る 「紡ぐ」
衣料品の製造工程は大きく分けると3つ、「紡ぐ」「編む」「縫う」。
一般的には編みあがった生地の中から選んで製品をつくることが多く、
私達は「編む」工程からの服づくりをおこなってきました。
そうすることでデザイナーの持つイメージをより完成度の高い状態で形にすることを可能にしました。
今回、私達は、さらにものづくりの川上へと進み、糸を「紡ぐ」工程からのものづくりに挑戦しました。
それは、さらに完成度を上げ、お客様に喜ばれるものづくりと、世界に発信できるものづくりを目指したからです。
「紡ぐ」「編む」「縫う」それぞれの職人の想いが一つとなって服をつくるさま。
それはまるで綿を紡ぎ1本の糸となるかのようで、
「SPIN A STORY」と題し、最高級のスウェットパーカーを作ることに挑戦した物語を、
JOURNALで3回にわたりアップしていきたいと思います。

SPIN A STORY
① 糸を作る 「紡ぐ」
高級な素材を使いながらも、パーカという商品で、
洗濯のたびにクリーニングに出すのでは手軽さがなくなってしまいます。
あくまでも家庭での洗濯(手洗い)が可能で、なおかつ風合いが良く、
これまでにない最高級パーカを作りたいと考えました。

SPIN A STORY
獣毛繊維のカシミヤが高級であることは、皆さんご存知だと思いますが、
カシミヤ100%では家庭での洗濯は厳しく、また、カシミヤならではの柔らかい風合いが、
スウェット生地を編む上ではコシがなく、
仕上がりのパーカをイメージした時に目指すものとは違う。
そこで、綿とカシミヤの混紡糸を作ることを考えました。
ただ、通常の綿を使うことは、カシミヤ入りの糸、カシミヤ入りのパーカとなり、けっして最高級とはなりません。
綿の選定こそが今回のキーと考え、そして出した答えがスビン!
インドの原生種スジャータ綿とビンセント綿(海島綿)との種の優性配合から、
全世界で他に例のないハイブリッド綿(優性交配種)「スビン」が生まれました。
インド綿全体のわずか0.025%しか収穫されない希少価値の高い綿です。
このスビン綿の特徴は繊維が極めて細くそして長いため、繊細でしなやかな光沢と均整度が優れています。
ぬめりのある風合いはカシミヤとも相性が良いのです。
そこで今回は「カシミヤ入り」というイメージではなく、
カシミヤと綿の最高級といわれるスビンのハイブリッド糸を太さや混率を変えて9種類作成しました。

SPIN A STORY

SPIN A STORY
不純物を取り除きながら、カシミヤとスビンをまぜあわせます。
さらに繊維をくしがけして繊維をそろえ、太い糸をつくります。

SPIN A STORY
太い糸を8本束ね、再度1本太さになるように伸ばします。
こうすることで繊維の長さをそろえ、ムラをなくします。
この作業を数回繰り返します。

SPIN A STORY
維長のムラがほとんどなくなったところで、糸を引っ張りながら撚りをかけ、細い糸を作っていき、
最終工程、指定した太さに仕上げます。

SPIN A STORY
こうして、9種類の糸が完成。
次回、「編む」につづく。
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